介護職になる時点ではあまり職場の選択肢がない場合もありますが、少し経験を積んで一通りの仕事ができるようになると転職するのは難しくありません。そのため、ある程度の経験をしたら自分が希望する働き方ができる介護施設を選ぼうと考えて転職する人が増えています。
介護施設は大別すると入所系、通所系、訪問系に分けられ、さらにその中で細かく性質の異なる施設へと分類されます。その種類の違いによって勤務システムに大きな違いがあるため、自分の考えているライフスタイルを実現しやすい職場を選ぶのは重要です。それぞれの介護施設によって違う特徴や魅力についてしっかり学んでから転職しましょう。
まず、入所系の代表例である有料老人ホームでは夜勤や土日祝日の勤務もありますが、シフト制になっていて現場によっては都合の良い時間にだけ働けるようになっています。
次に、通所系として知られるデイサービスセンターの場合には開所時間は昼間だけで夜勤はありません。シフト制なのは同じであり、よりワークライフバランスを良くしやすい現場でしょう。残業については種類の差よりも現場の運営システムの違いによる影響が大きいですが、転職によって残業が少ない現場を選ぶことも可能です。
最後に、訪問系を選ぶとスポット的に働けることも多く、長時間働くのは難しいという人も働きやすくなります。このように介護施設の種類によって働き方が異なるため、自分なりのライフスタイルを重視したいと思うようになると転職で職場を選び直す傾向があります。
介護従事者の中には不満を抱えながら働いている人もいます。身体介助をしていると体力的につらいと感じている場合もあれば、現場で利用者とのやり取りに苦労している場合もあるでしょう。うまく会話ができなくてコミュニケーションの悩みを抱えている人も少なくありません。
このような悩みを抱えているけれど、やはり介護業界で働いていきたいというのなら転職を検討してみましょう。介護施設の種類が違えば利用者のタイプが大きく異なるため、自分にとって働きやすい環境を手に入れられる可能性が高くなります。
入所系の介護施設でも種類によって利用者の要介護度の高さに違いがあり、通常は要介護度が高い人の方が身体介護の必要性が高いだけでなく、コミュニケーションを取るのも難しくなりやすいです。一方、要介護度が低いとまだ活発に話ができる利用者も多くて会話に疲れてしまう人もいます。そのため、もともと会話が苦手という人の場合には要介護度の高い高齢者が多い現場の方が働きやすいと感じる場合もあります。
一方、病気の有無にも違いがあり、介護老人保健施設では病気を患っている人が多くて精神的に滅入っている人も多いです。それを受け入れられる人にとっては周りに医療従事者がいるので安心感がある介護施設とも解釈できるでしょう。
通所系の場合にも同様の違いがあり、必要な体力とコミュニケーションの性質、周囲にいるスタッフが異なっています。自分がどのような利用者となら付き合っていきやすく、どんなスタッフに囲まれていたら安心かをよく考えてみましょう。